韓国政府が推進する「独自AIファウンデーションモデル・プロジェクト」の第1次評価結果が発表され、国内のAI産業地図が急激に塗り替えられています。今回のプロジェクトは、ソブリン(Sovereign)AIの実現を目標に、世界最高水準の技術力を確保することが核心です。第1次関門を突破したSKテレコム(SKT)とUpstage(アップステージ)が、最終2チームの座を巡って譲れない勝負を予告しています。5,000億個のパラメータを突破した「通信の巨人」の底力と、技術力一つで企業価値2兆ウォンを立証した「スタートアップ」の対決は、単なる順位争いを超え、韓国AIの未来を占う重要な指標となる見通しです。


反転のSKテレコム、519Bのパラメータで証明した技術力

SKテレコムは今回のプロジェクトを通じて、「通信会社にAIがまともにできるのか」という市場の疑念を完全に払拭しました。第1次評価で公開された「A.X K1(エイダットエックス・ケイワン)」は、韓国で初めてパラメータ数5,000億個を超えた519B規模の超巨大モデルです。これは当初、柳映像(ユ・ヨンサン)社長が公言していた目標値を上回る数値であり、韓国知能情報社会振興院(NIA)のベンチマーク評価で10点満点中9.2点を記録し、その技術力を証明しました。

特に、SKテレコムはグループを挙げた全面的な支援を背景に、自社のGPUリソースのみを活用してこの成果を出した点が注目されています。単なる規模の拡張にとどまらず、数学やコーディング分野において、グローバルなオープンソースモデルである「DeepSeek-V3.1」と対等、あるいはそれ以上の性能を示し、実戦での活用可能性を高めました。分かりやすく言えば、体が大きいだけのモデルではなく、実際の問題解決能力に長けた「スマートな巨人」を作り上げたわけです。


スタートアップの反乱、Upstage 企業価値2兆ウォン時代へ

Upstageは巨大企業がひしめく中で、唯一のスタートアップとして独歩的な技術力を誇示しました。資金力やインフラの面では大企業に劣らざるを得ない環境でありながら、個別のベンチマーク評価で10点満点を記録し、LG AI研究所と共に共同1位に躍り出る快挙を成し遂げました。この成果は直ちに企業価値の上昇につながり、現在市場ではUpstageの価値が2兆ウォンから最大4兆ウォンまで取り沙汰されています。

金成勲(キム・ソンフン)代表を中心とした迅速な意思決定と透明な技術公開は、業界の好評を引き出す核心的な要因でした。最近浮上した中国製モデルの流用疑惑を、公開検証を通じてわずか一日で正面突破した事例は、Upstageの自信を物語っています。Upstageは今回のプロジェクトの成功を足がかりに、早ければ今年下半期にも新規株式公開(IPO)を推進する計画であり、これは韓国のAIスタートアップ史上最大規模の上場になると期待されています。


第2次評価の勝負どころ:マルチモーダル拡張とグローバルコンソーシアム

間近に迫った第2次評価は、テキストを超えた「マルチモーダル(Multimodal)」競争になる予定です。SKテレコムは画像データを皮切りに、音声、映像まで処理できる機能を順次適用し、AIが人間のように多様な情報を同時に理解・処理できるよう高度化する戦略です。このために、KAISTやソウル大学の研究陣が合流し、技術的な完成度をさらに高めています。

Upstageも万全の準備を進めています。米国のスタンフォード大学やニューヨーク大学がコンソーシアムに合流したことで、グローバル水準の技術競争力を確保しました。韓国国内向けのモデルに留まるのではなく、全世界の市場で通用する最高水準のモデルを完成させるという抱負です。ビッグテック企業すら緊張させるようなグローバル協力体制は、Upstageが最終2チームに残るための強力な武器となるでしょう。


韓国AIの未来、12月の「最終精鋭チーム」選定に注がれる視線

政府は今年12月まで段階的な評価を経て、最終的に2つの精鋭チームを選定する計画です。ネイバークラウドが今回の競争から遠のいたことで、SKテレコムとUpstageの生存確率はかつてないほど高まっています。しかし、新たに追加公募に名乗りを上げたMotif Technologies(モティフテクノロジーズ)やTrillion Labs(トリリオンラボ)のような新興勢力の挑戦も変数となる可能性があります。

今回の「国家代表AIプロジェクト」は、単なる国策事業を超え、韓国が独自のAI主権を確保できるかどうかの試金石です。SKテレコムの圧倒的な資本・インフラと、Upstageの機敏な技術革新。市場は果たしてどちらの手に軍配を上げるのでしょうか。最終的に選定された2チームは2027年まで政府の全面的な支援を受け、グローバルAI戦争の最前線に立つことになります。